この事例は毬穂が教師時代手掛けたものです。
個人が特定できないように加工しています。
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少しして、まどかの母親からまたも相談がありました。
家庭内暴力が収まらないどころか、いっそう深刻になっているということでした。
私はまどかを呼び、「お父さん、怖いの?」と訊きました。
まどかはわっと泣き出し、
「お父さんは子どものころ私を殴っていました。
悪いことをすると長い間正座させられ、必ず殴られました。
怖くて怖くて・・・」
私「今も殴るの?」
まどか「さすがに中学校に入ってからはなくなりましたけど、
怖くて怖くて・・・。私ずっとお父さんに
怒られないように気を遣って暮らしている。
学校で何か悪いことをして電話がかかってくるとすごく怖い。
だから、失敗しないようにやりたいことも我慢して・・・。」
私「よくがんばってきたね。辛かったね。」
まどか(しばらく号泣している)
私「お母さんにもお父さんは手を上げるの?」
まどか「・・・それはなかったけど、お母さんは何もできない。
私が殴られていても見ているだけ・・・」
私「まどかはどうしてお母さんを殴るの?」
まどか「わからない。お母さんの口うるささにいらいらしてくると、つい・・・」
私「お母さんに悪いって思う?」
まどか「思わない。いい気味だって思う・・・」
私「・・・子どものころに怖かったこと、殴られたことを、
今になって復讐しているのかな?お父さんには怖くてできないから、お母さんに」
まどか「そう、そんな感じです!殴っている時、
殴られていた時のことが時々出てくる」
私「そうか。まだまだ残っているんだね。消えるはずないもんね。
痛かったし怖かったし、誰も守ってくれなかったし」
まどか(黙って泣いている)
私「だけどさ、復讐は危険だよ。不幸しか生まないよ。
お母さんを傷つけるよ。あなたの気持ちをお父さんとお母さんに伝えよう。
わかってもらおう。そして謝ってもらおう」
まどかは泣きながらうなずきました(
(続く)
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